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(介護の基本)主宰はこう解いた!第37回介護福祉士国家試験 実体験付き過去問解説

こちらではワタシこと“主宰“が受験した第37回介護福祉士国家試験の試験中にどのように考えて解答を導き出したのかを含めて実体験を交えた過去問解説を行なっています。ここは「介護の基本」について解説しています。午後の試験の最初のパートとなります。なんとか好スタートを切りたいところです!なお、公開済みのこれまでのパートを通して読んでいただければ過去問1年分が学習できるかと思っています。

問題 64

介護福祉に関連する法律に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 「高齢者虐待防止法」は,福祉六法の1つである。
2 「障害者総合支援法」は,障害者基本計画の策定を義務づけている。
3 社会福祉法によって,社会福祉士の定義が規定されている。
4 介護保険法は,国民の共同連帯の理念に基づいて介護保険制度を設けている。
5 医師法によって,介護福祉の業務の一部として医行為が認められている。
(注)1 「高齢者虐待防止法」とは,「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
2 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

介護福祉士国家試験って、福祉六法がやたら出てくるように思います。(社会福祉士国家試験では意外と出ないのですが。)ただまあ、常識とまでは言いませんが、押さえてはおきたいですね。ちなみに、生活保護法(1950年),児童福祉法(1947年),身体障害者福祉法(1949年),精神薄弱者福祉法(1960年。99年から知的障害者福祉法),老人福祉法(1963年),母子福祉法(1964年。81年から母子及び寡婦福祉法)の六つの法律を総称して「福祉六法」と言います。戦後、弱い立場とされた児童、傷痍軍人、生活困窮者にはじまって、3法では救いきれない方をサポートすべく他の法律が整備される、という流れですね。高齢者虐待防止法は含まれておりませんので、間違いです。

政府に障害者基本計画の策定を義務付けているのは、障害者基本法になります。よって間違いです。

社会福祉士の定義と義務については、社会福祉士及び介護福祉士法で規定されています。

国民の共同連帯。まさにこれですね。介護保険法は社会全体で介護を支える仕組みとして2000年に施行されました。

医療行為の中でも、例外として介護士が行うことが認められている、いわゆる医療的ケアについては、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正の際に触れられている内容となります。医師法ではありません。

問題 65

社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 資質向上のために,5年に1回,資格更新研修を受けなければならない。
2 社会福祉士の業務を介護福祉士が行うことは禁じられている。
3 介護福祉士の信用を傷つける行為をしてはならない。
4 介護福祉士は,その業を辞した後は秘密保持義務が解除される。
5 介護福祉士国家試験に合格した日から,介護福祉士を名乗ることができる。

「資質向上の責務」については、2007年の改正の際に追加されましたが、5年に一度といった決まりはありません。

社会福祉士は業務独占資格ではなく、名称独占資格です。無資格者が当該の名称を用いて当該業務に従事することはできません。但し、その名称を用いなければ無資格者であっても当該業務に従事することは出来ます。そう!出来てしまうんです。(笑)

まぁ、これはそうでしょうね。(笑)「信用失墜行為の禁止」というやつです。

介護福祉士は正当な理由がなく、その業務において知り得た人の秘密を漏らしてはいけません。また、辞めたからといってベラベラ喋っても良いことにもなりません。当然でしょう。(笑)

この選択肢って、やたらよく目にするんですけどね。(笑)合格したその日から名乗れるわけではないんです。(笑)合格後に資格登録を行わないといけません。決して安くはないお金が必要となります。何とかして欲しいのですが。。。

問題 66

Aさん(75歳,女性)は,3か月前に,血管性認知症(vascular dementia)を発症し,軽度の左片麻痺で杖歩行となり,要介護3と認定された。Aさんは,料理が大好きで,娘と一緒に食事を作ることを楽しみに生活していた。1か月前から認知症 (dementia)が進行し,ユニット型介護老人福祉施設に入所した。Aさんは夕方になると,「ご飯の支度をしないといけないから帰ります」と言いながら,興奮して歩き回る様子がみられるようになった。Aさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 居室に鍵をかけて,自室で過ごしてもらう。
2 介護福祉職と一緒に,夕食の準備をしてもらう。
3 杖を預かり,低めの丸椅子に座ってもらう。
4 介護福祉職の判断で,向精神薬を服用してもらう。
5 ここがAさんの自宅であることを,理解してもらう。

これって、監禁ですよね。(汗)正解であるはずがありません。

冷静に考えればこれしかないんですが、主宰はなぜか外していました。(汗)

杖を預かるのもどうかと思いますが、低めの丸椅子って、ちょっと悪意すら感じるのは私だけ??(汗)

介護福祉職の判断で薬を飲んでいただくのはまずいですね。

主宰はなぜか、これを選んでいたんです。何故?(汗)選択肢の2.と5.を残して、5.をマークするという。。。認知症による「帰宅願望」と言うやつですね。否定したり間違いを指摘したりすると混乱を強めてしまうことがありますので要注意です。

問題 67

ICF (International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)における「参加」と「活動」の2つが関連した,認知症の人の支援に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type with earlyonset)があり,治療している。
2 認知症カフェに通い,体操をしている。
3 近所に住む長男が,買物を代行している。
4 自宅にある広い庭を,バリアフリー化している。
5 見当識障害があり,GPS装置を身に着けている。

(障害の理解)のところでも出ていましたね、ICF。そちらでも触れていますが、「参加」と「活動」の2つが関連したとありますので、“ひとりで行う“と“みんなで行う“が合わさったものを選ぶということになりますね。

疾患名があるので“健康状態“と、治療ということで“活動“となりますかね。

認知症カフェに通うのが“参加“で、体操をしているのが“活動“でしょう。これが正解です。

生活機能に外的な影響を与えるということで、“環境因子“になるかと。

これも選択肢3.と同様、“環境因子“でしょうね。

見当識障害ということで“心身機能・身体構造”に該当します。が、GPS装置を身につけているというのは。。。?!“個人因子“ではないですね。例えば車椅子や福祉用具と同等のものを考えると“環境因子”になるかと。主宰はいつも、この辺りでゴチャっとなってしまいますが、選択肢2.が素直にみて正解かなと思い、スルーしました。

問題 68

次の記述のうち,介護保険制度における訪問介護員(ホームヘルパー)が行うサービス内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者が大切にしている庭の植木に,水やりをする。
2 利用者が長年飼っている猫のペットフードを,購入してくる。
3 掃き掃除をする習慣のある利用者と一緒に,寝室をほうきで掃除する。
4 利用者と一緒に,近所のラーメン屋に行く。
5 利用者のクレジットカードを預かって,買物を代行する。

主宰が介護の仕事を始めた時は、まず訪問介護から始めました。ホームヘルパーとして出来ることと出来ないことがあるとは聞いたのですが、その線引きで何とも曖昧なものってのは、悩ましいところではありますね。(汗)これくらいは良いのかな?と思ってみたり、あるいは結構無茶振りをされてみたり。とはいえ、介護保険制度で定められていて、税金が投じられているものでもありますので、ね。正しい理解は大切かと。こちらがわかりやすくまとめてくれていますので。

これ、ダメなんですよね。ついやってしまいそうですが。(汗)日常生活を送るのに特に支障がない行為ということでダメなんです。

ペットは家族のようなものではありますが、そもそも利用者以外の家族への支援は禁止されています。

利用者と一緒にってところが鍵ですよね。これが正解です。

これのどこがサービスやねん?!と思いますが。(笑)ま、奢ってくれるなら行きたいところではありますが。(笑)

これはマズイということはわかりますよね。(笑)金銭に関することは、よほどキッチリしないとトラブります。

問題 69

次の記述のうち,介護従事者を守る法制度として,正しいものを1つ選びなさい。
1 労働安全衛生法では,年に1回以上の健康診断を行うことを義務づけている。
2 労働者災害補償保険法では,労働時間,賃金,休暇などの労働条件を定めている。
3 環境基本法では,快適な職場環境の形成の促進を定めている。
4 介護休業は,対象家族1名につき,毎年93日間を取得できる。
5 出生時育児休業は,子の出生後から8週間取得できる。

いきなりですが、これが正解です。健康診断の案内、来ていると思いますので。

労働条件を定めているのは、労働基準法になります。よって、間違いです。労働者災害補償保険法は「労災保険法」とも呼ばれ、労働に起因する傷病を補償する労災保険について定めた法律です。労災って聞いたことあると思いますが、労働条件の話ではありません。

環境基本法は、日本の環境政策の根本に関する基本法です。職場環境のことではありません。職場環境に関しては、労働安全衛生法が関係する法といえます。

介護休業は、要介護状態にある対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して取得できます。有期契約労働者も要件を満たせば取得が可能です。毎年93日休めたら介護離職も激減しそうですが、なかなかそこまでは。(汗)ちなみに介護休暇は、要介護状態にある対象家族が1人の場合、1年間で5日まで、2人以上の場合、1年間で10日まで、1日または時間単位で取得できます。

「出生時育児休業」とは、子どもの出生後8週間以内に、最長4週間(28日間)の休業を取得できる制度です。出生時育児休業は、従業員の希望により2回に分けた取得もできます。分割取得は、従業員が原則まとめて申し出をしなければなりません。従業員から出生時育児休業の申し出があったときは、取得回数も忘れずに確認するようにしましょう。出生時育児休業は、通称として「産後パパ育休」とも呼ばれています。産後パパ育休という名前にもあるように、出生時育児休業は主に男性を対象とした制度です。これとは別に「育児休業」は、子どもが1歳になる前日までの子どもを育てる男女が取得できる制度です。2022年10月1日以降は、2回の分割取得もできるようになりました。また育児休業は、対象期間を最長1年間としています。しかし、仕事に復帰できない特別な事情があれば、最長で子どもが2歳になるまで延長できる点も特徴です。よく似た名前で紛らわしいですが、全く違う制度ではあります。

問題 70

Bさん(68歳,女性,要介護1)は,ヨーロッパで生まれ育ち,50歳のときに日本人と結婚した。65歳で夫と共に日本で暮らすようになったが,日本語は十分に理解できない。半年前に,脳梗塞(cerebral infarction)を起こし,利き手に麻痺があり,立ち上がりも不安定である。現在は,介護老人保健施設に入所し,在宅復帰へ向けたリハビリテーションを行っている。Bさんはこれまでの生活様式を守り,自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいと希望している。次の記述のうち,Bさんへの介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 入所中は母語を使わずに,日本語を話すように伝える。
2 居室の床に布団を敷いて,寝起きができるようにする。
3 自分で食事ができるように,自助具の使用状況を確認する。
4 ほかの利用者と同じ時間に食べ終えるように伝える。
5 日本の生活に合わせるように,余暇活動の内容は介護福祉職が判断する。

これまでの生い立ちを見ても、これは無茶な対応でしょう。(汗)

立ち上がりが不安定とありますので、ね。酷な話です。

自宅で自分のペースで食事ができるようになりたいと希望されていますので、これが正解です。

利き手に麻痺がある方に、このようなことは言えません。

日本に来てまだ3年くらいの方に、これはひどいですよね。今回の選択肢は、酷い内容のものが多くないですか?!(汗)

問題 71

次の記述のうち,チームアプローチに関するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉職が利用者のところに行って,相談,支援を行う。
2 障害者が,地域の資源を活用して,共生社会の実現を目指す。
3 複数の専門職が共通の目標に向かって協働し,課題解決に取り組む。
4 利用者に代わって,専門職がサービスを決定する。
5 当事者が集まって体験談を話し,共に支えあう。

チームアプローチの意味を考えると自明な気がしますが。チームアプローチとは、利用者の課題を解決するための目標を多職種間で共有し、その目標に向かって医師、看護師、保健師、介護福祉職、作業療法士、臨床心理士など様々な職種が連携し、それぞれの専門性を発揮して、1人の利用者の支援を行うことです。となると、正解は3.になりますね。1.と2.はチームアプローチからはズレていますしね。4.は“パターナリズム“のことですかね?パターナリズムとは、専門職が利用者本人の意思に関わりなく、本人の利益のために本人に代わって判断することとされています。5.は自助グループ(セルフヘルプグループ)のことかと思われます。

問題 72

介護保険施設における防災対策に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護福祉士は,災害派遣福祉チームで活動することが義務づけられている。
2 介護福祉士は,防災スキル向上のために,防災士の資格取得が義務づけられている。
3 災害対策基本法に基づき,個別避難計画の作成が施設長に義務づけられている。
4 一般的に,飲料水と非常食は1日分の備蓄が義務づけられている。
5 災害時等に備えて,業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が義務づけられている。

そのような義務はありません。国家試験受験前にも、聞いたことないですよね?(笑)

あると良いのかもしれませんが。(汗)こんな義務もございません。

個別避難計画の作成は市町村の努力義務とされています。施設長には荷が重いです。(笑)

一般的には、3日分の備蓄とされています。条例で3日分の備蓄が努力義務とされていることや、人命救助のタイムリミットが72時間とされていることに起因しているようです。阪神淡路大震災からの教訓でもあるそうです。

これが正解です。勤め先の研修等でもよく取り上げられているようですので、ご存知の方も多いのでは?

問題 73

次のうち,結核(tuberculosis)の予防対策に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 便座のアルコール消毒
2 肺炎球菌ワクチンの接種
3 紫外線を避けた生活
4 年に1回の胸部X線検査
5 50℃以上の温水によるリネン類の洗濯

4.が正解です。迷いはないかと。(笑)なお、3.は皮膚がんや膠原病、白内障などが該当するかと。5.については、既知の感染の有無に関わらず、熱水洗濯(80℃、10分間)が推奨されており、この方法により感染性は消失するとされています。

まとめ

くだらないミスをしてしまっていましたが。。。午後イチの科目ということで寝ぼけてしまったのかな?(汗)まぁ、表題が「介護の基本」とありますので。確実に得点しておきたいところではあります。法に関する問題も散見されました。あまり深いところまでの知識は必要ないかと思いますが、おおまかな概要程度は知っておきたいところです。

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