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(認知症の理解)主宰はこう解いた!第37回介護福祉士国家試験 実体験付き過去問解説

ワタシこと“主宰“が受験した第37回介護福祉士国家試験の試験中にどのように考えて解答を導き出したのかを含めて実体験を交えた過去問解説を行なっています。ここでは「認知症の理解」についてのパートに触れています。

問題 39

次の記述のうち,2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱に関する説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
2 「予防」とは,「認知症(dementia)にならない」という意味である。
3 「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。
4 「普及啓発・本人発信支援」として,家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。
5 策定後は,毎年施策の進捗を確認することが示された。

これが正解になります。「共生」と「予防」、まさにキーワードと言えます。認知症施策推進大綱は、一度くらいざっと目を通していても良いかと。主宰も事前に確認していたので、この問題はラッキーでした。

認知症にならないというのではなく、「認知症になるのを遅らせる」もしくは、「なったとしても進行を緩やかにする」という意味です。ならないというのは、ちょっと無理がある気がします。

数字って、正解にしづらいというか、間違い選択肢にしやすいというか。数値を変えるだけで良いですのでね。事実こちらも間違いです。1.普及啓発・本人発信支援、2.予防、3.医療・ケア・介護サービス・介護者への支援、4.認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援、5.研究開発・産業促進・国際展開の5つの柱が示されています。

本人発信支援とあるのに、家族が代弁って変ですね。(笑)

毎年だと大変だろうなとは思いましたが。(できれば良いのですけど。)実際は3年を目処に進捗確認とされています。

問題 40

Aさん(84歳,女性,要介護3)は,アルツハイマー型認知症(dementiaof the Alzheimer’s type)で,介護老人福祉施設に入所している。赤ちゃんの人形を持っていて,「はなちゃん」と呼んで話しかけている。昼食のため,介護福祉職が居室を訪問すると,Aさんは不安そうな顔で,「はなちゃんがいなくなった。どこへ連れて行ったの?返して」と大声を出した。人形はAさんのロッカーの上に置かれていた。Aさんに対する介護福祉職の最初の声かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「私を疑っているんですか」
2 「置いた場所を忘れたんですか」
3 「心配ですね,一緒に探しませんか」
4 「ご飯を食べてから探してはどうですか」
5 「ロッカーの上にあるのが見えないんですか」

ちょっと喧嘩腰に見えますね。(汗)

これもどうですかね?言い方が気にはなりますね。

寄り添っている感じがしますよね。これが正解です。

ご飯で呼びに来て急いでいるのかもしれませんが。(笑)こういうのが正解とは、ちょっと思えませんね。

これも言い方、ですよね?(汗)

問題 41

認知症(dementia)の高齢者にみられる,せん妄に関する記述として,適切なものを1つ選びなさい。
1 覚醒レベルが重度に低下した状態である。
2 症状の変動が少ないことが特徴である。
3 夜間よりも日中に生じやすいことが特徴である。
4 認知機能障害がみられることはまれである。
5 関与する因子を特定することが重要である。

せん妄って、社会福祉士の国家試験にも割と出ているんです。それで知っていたようなところもあるのですが。いずれにせよ頻出とも言えますので、特徴は押さえておきたいところです。

意識がはっきりしている時とぼんやりしている時が混在する傾向があるので、間違いです。

症状の日内変動(特に夜間の悪化)は主な特徴といえます。間違いです。

上述の通りです。夜間に生じやすいです。

認知機能障害は見られます。また認知症とよく似ているとされていますが、原因となっている身体的な不調が取り除かれれば改善が期待できる一時的な症状でもあるので、注意が必要です。あと、幻覚や妄想、見当識障害も見られるのが特徴です。

上述していますが、これが正解です。

問題 42

次の記述のうち,アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer’stype)の特徴として,適切なものを1つ選びなさい。
1 近時記憶(新しい記憶)の障害は,初期から始まる。
2 特徴的な症状として幻視がある。
3 脳にアミロイドβが沈着し始めると,すぐに発症する。
4 歩行障害が多く現れるのは,初期の段階である。
5 嚥下障害が多く現れるのは,初期の段階である。

認知症に関してはその分類と、それぞれの特徴については押さえておきたいところです。社会福祉士の国家試験でも、当然介護福祉士の試験でも頻出といえます。変性性認知症として、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症等があり、脳の変性が原因です。また脳血管性認知症は、脳血管障害が原因となります。

アルツハイマー型認知症の症状としては、見当識障害、記銘・記憶力障害等、全ての能力が低下し、段取りを決めることや短期記憶の保持が難しくなることが挙げられます。長期記憶や手続記憶は比較的よく保たれます。また、患者本人に病識がなく、進行性です。70歳以上に起きやすく、女性に多いのが特徴といえます。あと、自然な喜怒哀楽の感情に乏しくなります。(感情の平板化)アルツハイマー型認知症の治療では、基本的に進行を緩徐にさせるために薬物療法が行われます。

いきなりですが、これが正解です。
ただ、主宰としては、選択肢1が正解とは思えても、後を見ないという勇気はないです。(笑)保留して次に進みました。

幻視といえば、レビー小体型認知症に見られる特徴です。

アルツハイマー型認知症は、老化に伴うアミロイドβたんぱくの脳内への異常蓄積が原因とされていますがすぐに発症するというわけではありません。

歩行障害については、認知症のみが原因とは限りませんので。主宰としては、パーキンソン病のことを言いたいのかな?と思いましたが。(汗)

上記にも関連しますが、アルツハイマー型認知症は認知機能の低下によって引き起こされるため、身体機能は維持されることが多いです。食事を認識できなくてもむせずに飲み込むことはできるかと。こちらは筋萎縮性側索硬化症(ALS)のことを言いたいのかな?と思いました。

やはり1.が妥当かなと判断しました。

問題 43

次のうち,認知症(dementia)のリスクを高める要因として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 身体活動
2 不飽和脂肪酸の摂取
3 歯がなくなることによる咀嚼機能の低下
4 難聴による補聴器の使用
5 ボランティア活動

何だか、理解しづらいというか、わかりにくい問題やな、と。(笑)まぁ、明らかに違うものも見受けられますが。

主宰はこれを選んでしまいました。運動不足はリスクを高める原因ですのでね、ただ、身体活動と書かれると、一概に運動不足とは言えない。そう言うことなんでしょうかね。

健康に良い効果が期待されている不飽和脂肪酸ですね。摂取することが認知症のリスクを高める要因になるのでしょうか?(笑)妙な選択肢です。

言われてみれば、これはあるのかな?と。事実、これが正解なんです。(汗)最も適切と言われれば、やはりこれなんですかね。

難聴が認知症のリスクを高める要因とは言われていますが、補聴器を使用するのですからね。これがなぜ選択肢にあるのか、分かりませんが。(笑)

もっと分かりませんね。(笑)ボランティア活動が認知症のリスクを高めるなんて無茶苦茶!

問題 44

次のうち,全般的な認知機能を評価する尺度であり,30点満点で20点以下を認知症の目安とするものとして,正しいものを1つ選びなさい。
1 バーセルインデックス(Barthel Index)
2 改訂長谷川式認知症スケール(HDS-R)
3 FAST(Functional Assessment Staging)
4 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
5 臨床的認知症尺度(CDR:Clinical Dementia Rating)

これはもう一択、でしょう!
っていうか、恥ずかしながら、主宰はそれ以外を知りませんでした。(汗)ちょっと見ていきましょう。

バーセルインデックス(Barthel Index、略称:BI)とは、食事や着替え、移乗など日常生活動作(ADL)の能力を評価するための国際的な指標です。

見当識や記憶、計算、逆唱、言葉の流暢性等の9項目からなり、大まかな認知機能障害の有無と程度を判定することが可能とされています。社会福祉士国家試験でも、お馴染みなんです。

FAST(Functional Assessment Staging)はアルツハイマー型認知症に用いられる観察式のアセスメントツールです。患者の日常生活動作の観察と、家族や介護者からのヒアリングにより、アルツハイマー型認知症の進行度を7段階に分類します。

認知症高齢者の日常生活自立度とは、高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活自立度の程度を表すものです。介護保険制度の要介護認定では認定調査や主治医意見書でこの指標が用いられており、要介護認定におけるコンピュータによる一次判定や介護認定審査会における審査判定の際の参考として利用されています。

臨床的認知症尺度とは、認知症の重症度を評価するためのスケールの一つです。このスケールの特徴は、認知機能や生活状況などに関する6つの項目を診察上の所見や家族など周囲の人からの情報に基づいて評価する観察法です。しかし、これは認知症の診断自体に用いられることはなく、あくまで認知症によるそれぞれの機能障害の重症度を判定し、生活支援プランを立てることに利用されます。

それぞれの用語の意味的なものを、ザッと見ておいてください。

問題 45

次の記述のうち,「認知症(dementia)の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」 (2018年(平成30年) (厚生労働省))で示されている,意思決定支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)の人の家族の意思を支援することである。
2 意思決定支援者は特定の職種に限定される。
3 一度,意思決定したら,最後まで同じ内容で支援する。
4 看取りの場面になってから支援を開始する。
5 身振りや表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行う。

認知症の人ではなく、“家族の意思の支援“とあるのが変ですね。

特定の職種、あるいは場面に限定されるものではないですので、誤りです。

そんな訳ないですよね。状況は変わっていくものですから、それに即したものでないと。

いや。。。(笑)遅いにも程があるでしょ。

これしかありませんね。

問題 46

次の記述のうち,回想法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 肩や背中から優しくゆっくりと触れる。
2 共感を通して,認知症(dementia)の人が体験している現実を受け入れる。
3 見当識を高めるために,時間や場所,現在の状況を説明する。
4 昔の写真や音楽を活用して,記憶を活性化する。
5 残存能力を活用し,共同作業を通して仲間をつくる。

回想法。知ってておきたいですね。
老人ホームや高齢者グループホーム等で実施されることも多いので。主宰が社会福祉士の実習を受けた特養でも行われていました。

回想法は、言葉だけではなく昔使用していた写真や生活用品を用いて五感を刺激し過去の出来事を振り返ることで自らの人生の肯定的な再評価を促すというものです。自尊心の向上、抑うつ状態の緩和等に効果があるとされています。

バリデーションのタッチングのことでしょうか。バリデーションとは認知症の高齢者に対して、その言動や行動を肯定的に受け止め、
共感的に寄り添うことで、尊厳回復や感情表現を促す非薬物的なコミュニケーション技法です。

大事なことではありますが、回想法の説明としてはズレています。

リアリティオリエンテーション、のことですかね。

これが正解です。

これも大事ですけどね。(汗)

問題 47

次の記述のうち,認知症疾患医療センターの説明として,適切なものを1つ選びなさい。
1 事業の実施主体は,市町村である。
2 都道府県ごとに,1か所の設置が義務づけられている。
3 認知症(dementia)の鑑別診断を行う。
4 主に認知症(dementia)が進行した人の入院治療を行う。
5 介護保険法に定められている。

主宰は、これまた初見でした。(汗)
認知症疾患医療センターとは、認知症の医療相談や診察に応じる専門の医療機関です。都道府県知事または政令指定都市市長が指定する病院に設置され、もの忘れ相談から、認知症の診断、治療、介護保険申請の相談まで、認知症に関する支援を包括的に提供します。
認知症疾患医療センター最大の特徴は、地域のかかりつけ医、介護・福祉施設、地域包括支援センターなどと連携し、地域医療と介護が一体になって認知症患者とその家族を支援する点にあります。これらを踏まえて、選択肢を見ていきます。

都道府県または政令指定都市とありますので誤りです。市町村では荷が重すぎるのかもしれません。

義務づけはなさそうです。

これが正解なんです。鑑別診断が行われているそうです。

主宰はこれを選択してしまいまいました。(汗)認知症患者とその家族の支援とありますので入院治療ではないようです。

介護保険法に定めはありません。

問題 48

Bさん(87歳,男性)は,一人暮らしである。玄関前で,脱水で倒れているところを発見され,救急搬送された。入院中,認知症 (dementia)の疑いがある行動が見られた。Bさんは,「自宅で暮らしたい」と強く希望していた。退院後,Bさんは外出して自宅に戻れなくなることがあった。近所の人たちが,Bさんの生活を心配して,地域包括支援センターに相談した結果,認知症初期集中支援チームが編成された。次の記述のうち,Bさんに対して認知症初期集中支援チームが行う支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 金銭管理を行う。
2 支援方針を検討する。
3 居宅サービス計画書を作成する。
4 介護保険サービスを契約する。
5 法定後見を行う。

認知症初期集中支援チーム。頻出と言って良いのでは?認知症初期集中支援チームは、市町村が設置する、医師(認知症サポート医)を含む医療・介護の専門職で構成されるチームです。認知症の疑いがある方や認知症の方、またはそのご家族の自宅を訪問し、認知症の診断・受診を促したり、適切な医療や介護サービスにつなげたり、相談に応じたりと、一定期間集中的に支援します。主な目的は、認知症の早期発見・早期対応を促し、住み慣れた地域で安心して暮らせるようサポートすることです。2015年度から2017年度末にかけて、全国のすべての市町村に設置することが義務化されました。

こういうことをやるためのチームではありません。(笑)

これが正解です。

これは介護支援専門員(ケアマネージャー)のお仕事です。ケアマネでなくてもやっている人は居ますけど。

ケアプランに基づいてサービスの契約を行うのは、むしろ利用者かと。

法定後見とは認知症や知的・精神障がいなどにより判断能力が不十分になった方に対し、家庭裁判所が選任した成年後見人等が本人の権利を守り、財産管理や法的な契約の支援を行う制度です。これも違います。

まとめ

認知症の理解というのが、一つの項目となって試験に出るんですね。我が国における重要性が見て取れる想いがします。主宰としては、取りこぼしがあったもののまずは得点できたかと。頻出の項目も多いので、確実に押さえて点数に繋げたいところです。

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